館長だより

心に残った「自然な多世代交流」

11月に入り、平日は保育所や幼稚園、小学校の遠足での利用が多くなってきました。前回、ご紹介した端材クラフトやネイチャークラフトをされる学校も多く、さまざまな個性的な作品が作られています。また、館内での「ミッションラリー」を楽しむ学校も増えてきました。那賀町産の杉が使われている「すぎのこつみき」や上勝町で生まれたグッド・トイ「不思議なイス・てるぺん」、あじさい湖の「杉のたまご」、けん玉やこまで遊ぶ等のミッションをクリアしていきます。こちらも好評で、私たちも試行錯誤を重ねながら、より楽しんでいただける「ミッションラリー」にしてまいります。

2週間ぶりの「館長だより」となりましたが、心に残った出来事が2つありました。

一つ目は赤ちゃんを連れたご夫婦と遠足に来た小学生の交流です。高学年の女の子から声をかけ、赤ちゃんが好きそうなおもちゃで一緒に遊び始めました。赤ちゃんが階段を上りだしたら励まし、上まで登り切ったら拍手をする小学生たち。一緒にあめごを釣ったり杉のたまごで遊んだりしていて、ご両親も嬉しそうに見守っています。赤ちゃんもすっかり打ち解け、帰りがけには、お互いに手を振って「ありがとう。またね。」と、お別れをしていました。

二つ目は、鎌瀬農村舞台の前に来館されたご高齢のご夫婦と子どもさんの交流です。私の遊び方の説明を聞きながら、「グッド・トイ」で長い時間遊ばれ、その様子を熱心に録画されていたご夫婦。2人仲良く、談笑しながら遊んでいる姿は、とても絵になっています。そんな時、隣で遊んでいた幼稚園くらいの女の子が、遊び方が分からないおもちゃの説明をお二人にし始めたのです。ご夫婦もうんうんと頷きながら、遊びはじめ、女の子はちょっと得意げでした。帰り際には、「大人も楽しめるいい施設ですね。孫を連れて遊びに来ます。」と話されました。

来館した子どもたちからは、毎日、元気をいただいていますが、このような予期せぬ交流の場に出くわすと、よけいに胸が熱くなります。「知らない来館者同士が、木のおもちゃでつながる」なんて、本当に素敵です。まさしく「自然な多世代交流」ですね。

さて、10月26日(土)は、館内では2回目の「ボッチャ体験会」を行い、親子で楽しんでいただきました。また、この日は、初めて「なかまつり」に出店し、木ーホルダーや木のマグネット、木のぶんぶんごま、折り紙でのマジックキューブづくりのワークショップを行いました。これからも、いろいろな場所に出向いて、当館の情報や木工の楽しさを発信してまいります。11月2日(土)は、フィンランド発祥のニュースポーツ「モルック体験会」、3日は動物の「バルーンアート」でした。4日は、「鎌瀬農村舞台公演」のPRを兼ねて、地元の人形浄瑠璃座「丹生谷清流座」の皆さんが当館を訪問してくださり、お客様と交流されました。

さて、9日(土)は、3回目の「ボッチャ体験会」、10日(日)はフラワーアレンジメント「クリスマス」を行います。フラワーアレンジメントは事前予約もできますので、興味のある方は当館(084-63-8110)までお問い合わせください。

10月、11月の休日は、県内各地でさまざまなイベントが開催されています。ただ、天候に左右されない当館は、150~200名の方にご入館いただいています。リピーターさんはもちろん、SNSや口コミで知って、初めておいでた方も多くいらっしゃいました。海外のお客様もおいでました。本当にありがとうございます。今後とも、皆様に末永く愛されるおもちゃ美術館をめざしてまいります。どうぞ忌憚のないご意見やご要望、ご感想などをお聞かせください。